実際に事業計画書を書く前に、ビジネスモデルを作ってみましょう。
ビジネスモデルとは、お金のまわる仕組みや設ける仕組みをシステム化して考えることです。
お金のまわる仕組み
アイデアを作ったら、事業としてやっていけるかどうか、ちゃんとお金が入ってくるかどうか、を考えることが大切です。
高齢化対策やエコなどの社会起業を考えている方には、あまり儲けることを考えたくないという方もいますが、お金が入ってくるからこそ、事業として続けていけるのです。
まったくゼロでは、どんないいアイデアでも事業として成り立ちません。
そこで、事業を行なう前の段階で、きちんとお金の回る仕組みを考えてみましょう。
そのために使うのが「ビジネスモデル」という考え方です。
まずは、その仕組みを下記のような図で書いて見るのがひとつの方法です。
図で書くことによって、自分はもちろん、周りの人にもわかりやすくなります。
この図は、私が会社で働いていたときに、ビジネスモデル特許を9件くらい出しているのですが、そのときに使用した図で、書店のビジネスモデルを現した例です。
大きな丸は「人・会社」を意味し、ここでは本を売る書店・本を買う購入者・本を持って来てくれる出版取次になります。
書店と言うのは、少し特殊なビジネスモデルで、本を出版取次から買うのではなくて、配本と言う形が取られ、売れ残った本は返すことができる形態が一般的です。
3種類ほど矢印があります。
一つは書店から購入者へ向かう実線の矢印で、商品とかサービスの流れを表しています。
二つ目の購入者から書店に向かっている破線の矢印は、お金の流れを表しています。
書店が購入者に商品を渡して、その代わりに購入代金をもらうということがわかります。
最後にもうひとつ、書店から出版取次に販売情報という二重線の矢印が出ています。
これは、情報の流れをあらわしています。書店でどの本が何冊売れたかということが、取次に伝わります。この情報を使って、取次は本の売れ行きを把握し、ビジネスにつなげているわけです。
このように3種類の矢印で、ビジネスモデルを表す方法があります。
儲かる仕組み
つぎは中古ブックストアの例を見てみましょう。
先ほどの書店の例と違うところは、「本を売る人」が出てくることです。
本を買う人は先ほどと同じように、本を買ってお金を払います。
本を売る人は本を中古ブックストアに売ることによって、お金をもらいます。
これがビジネスモデルですが、これだけだと、ビジネスが儲かるのかどうかよく分かりません。
そうしたとき、この矢印を太さで表す方法があります。
お金や本の流れに対して、その量を太さで示した矢印になっています。
お金に注目してみると、中古ブックストアでは本を売る人に渡すお金よりも本を買う人に渡すお金の方が大きい。一般的に中古を扱う業種の場合、買うときと売るときの価格差があるのが一般的です。
一方、本の量を見てみると、売る人から入ってくる量よりも買う人に向かう本の量の方が多い。
中古ブックストアでは、本を売る人の方が少ないので本を売る人をいかに増やすかが課題であることも分かります。
例えば、大手の中古ブックストアでも売る人を増やすためにさまざまなサービスを行なっています。自宅まで引き取りに行ったり、直接送ってもらい買い取りをしたりなどです。
もし、既存の中古ブックストアよりもうまく本を買い取る方法が見つかったらビジネスとしてうまくいくかもしれません。
ビジネスモデルの種類
ビジネスモデルには、代表的なものがいくつかあります。
そのなかから、5つほどご紹介します。
①広告モデル
利用する人は無料で利用できるが、広告主から広告費という収入を得るモデルです。
代表的なのが、民法のテレビ。インターネットのホームページを運営している会社もこのモデルを取っている会社が沢山あります。
②消耗品モデル
製品そのものではそれほど収益を得るわけではなく、使用する消耗品で収益を得るモデルです。例えば、コピー機とかプリンターなどがあります。
本体ではそれほど利益は伸びなくても、使い続けるとトナーやインクがなくなるので、その販売で利益を得ていきます。ゲーム機も本体ではなく、ソフトで利益を上げているものが多いようです。
③マッチングモデル
従来は結びつきにくかった2者を結びつける支援を行い、利益を得るモデルです。
例えば、家を作る工務店と家を建てたい人を結びつけるサービス。
このモデルはよく思いつく結びつける2者をたくさん集めないとなかなかうまくいきません。
④ASP(A pplication Service Provider)モデル
ASPとはコンピュータ用語ですが、どういうものかというとお客様が一人や一社の場合は効率が悪いが、沢山まとめることによって効率が良くなり利益が出て、ノウハウも得ることができるモデルです。
例えば、コールセンターとか電話代行などのサービスがこれに当てはまります。
小さな企業の電話を代行するサービスは一社とか二社のためでは大幅な赤字になりますが、百社とか二百社とお客様をまとめると利益が出るビジネスモデルになります。
⑤FCモデル
代表的なものがコンビニストアです。
コンビニがなぜあのように展開できるかというと本部がノウハウを持っていて、それをフランチャイズに入る会社に提供することができるからです。
同じように、特に実店舗があるビジネスの場合、ノウハウを持っていればそれを提供することで自分が全額費用を出さなくても、多店舗を開業できる可能性があります。
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